集積回路工学第1?

設計実習の感想に対する回答

  • Calibre のメニューが表示されなかった
    • 1.実習環境の準備の 3. CADツールのカスタマイズファイルの確認の設定をしていない、または異なるOS用の設定をしている人が多く見受けられました。この設定の説明が、分かりにくかった(誤っていた?)ようなので、解説書に説明を追加しておきました。
  • TAの人数を増やしてほしい
    • TAを増やしたいところなのですが、LSIの設計実習は、CADの知識、OS(UNIX)の知識、コンピュータネットワークの実務的知識、LSI設計の知識の全てを持っていて、瞬時にエラーの原因を判断できる実力が必要になるため、対応できる大学院生があまりいません。また、大学からはTA予算の削減圧力がかかっており、また、近年は研究費の流用も強く制限されているため、TAを増やす方向での対応は困難です。こうした状況のため、当面は1名のTAで我慢してください。
  • シミュレーションがうまく動かなかった
    • シミュレーションはエラーなしで走ったけれど、出力波形が異常だった人がいたようですが、理由はこちらでもわかりませんでした。何らかのパラメータ値を間違えているか、MOSFETのモデルパラメータファイルが破損している可能性が高いのですが(操作ミスならエラーが出るはずです)、よりシンプルな回路で試してみるなど、時間をかけて操作手順を追ってみる必要があります。
  • ルールファイルがなかったため、LVSを実施できなかった
    • 設計環境の解凍に失敗していると思われます。ときどき、ファイルが破損していたり、失われていたりしていたようです。単なるファイル操作ミスなのか、ファイルサーバの障害なのか、今のところ原因がはっきりしません。私自身は、毎日使っていても、こういう問題に遭遇したことはないので、ファイルサーバの障害は考えにくいのですが。
  • 資料に間違いが多く無駄な時間を過ごした
    • これは申し訳ないです。環境の変更、CADツールの改訂などに対応するため、実習直前に修正が必要なので、TAの人に事前学習を兼ねて、解説書の確認を頼んでいるのですが、今年は、忙しかったのか、あまり確認してくれてなかったようです。来年度は、TAに学類生と同じ環境での確認を義務づけるとともに、私も確認するようにします。ただし、実際のハードやソフトの開発では、エンジニア用のツールやメーカのテクノロジデータやライブラリは、頻繁な改訂のため、説明書通りには動作しないため、サポートを利用するのが普通です。ベンダーが行う実習(有料)でも、マニュアルは自習するためのものではなく、講師によるサポートを前提として作られています。これを想定して、宿題ではなく、実習時間をとっているわけですから、うまくできないときは遠慮なく質問してください。
  • DRC, LVSでエラーが出て最後までできなかった
    • これは、自分で解決するのは難しいかもしれませんので、できたところまででかまいません。実際にメーカで製造するためには、完全にエラーがなくなっている必要があるので、フルカスタムでのレイアウト設計には、十分に時間をかけるか外注をする必要があります。
  • MUX2のシミュレーションで、どうしてもエラーが出てしまってなかなか次に進めなかったので、最初から作り直した.
    • 設定項目の多い複雑なCADソフトや計測器では、どこかでミスがあると探すのが困難なので、最初からやり直すのも一つの手です。原因がわからないのですが、作成したライブラリデータが、なぜか破損していたケースもあったようです。

エラーに関する回答

  • LVSのエラーが不可解でよくわからず。Y、VDD、VSSのmissing portが直らず。繋がってるように見えるが・・・。2箇所missing connectionがあった。NAND回路の特に何も編集した覚えの無い所にエラーが出ている。
    • このレイアウトだと、DRCでもエラーがあったのではないでしょうか、VDDにつながるN-WELL間の間隔が狭いと思われます。
    • 各NAND, INV の電源に配線がされていません。このため、LVSでVDD, VSSの配線が回路図と一致しないという結果になるはずです。
    • Y(出力)については、レイアウトには問題がないようですが、ポート名とポートのレイヤーにミスはなかったでしょうか。
    • NANDのmissing connectionについては、おそらく、INVの電源端子にVDDとVSSのポート名がつけられていて、NANDの電源との配線がされていないため、NANDの電源端子に対して、回路図の対応が取れなかったと思われます。電源ラインが接続されていないと、回路図との対応はほとんどたどれないため、いたるところにLVSエラーが発生します。このため、まずは、電源ラインを確認する必要があります。
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