集積回路工学第1?
問11 評価理由 †
- 課題の難易度が高すぎる・内容は良かったが、難しかったので課題で困ることがしばしばあった(2名)
大半の課題は、講義内容の理解を確認する程度の基本的なものなので、難しいということは、講義内容が理解できていないということだと思います。配付資料を見ても分からない場合は質問するのが早いと思います。ただ、組み合わせ/順序回路に関する課題は、やや手間のかかるものが含まれていましたので、課題の見直しをしてみます。
- 早口で聞きづらいことが多い
睡魔が来ない程度の速度で話すよう意識したつもりですが、最初と最後の回は少し速かったかも。この感想を書いてくれた人は北陸出身者かもしれません。北陸では、関西弁で話すと、速すぎるとか恐いとかよく言われるので、関西出身の教員は、学生には関西弁で話さないほうがよいと言われています。講義の速度だと遅すぎると言われることもあるので、調整が難しいところです。
- 内容に大変興味を持てたが、内容が難しくあまり理解できなかった・この授業の内容は重要だと感じたが、私の学力には難しかった(3名)
初歩的な数学と物理、論理回路の知識だけで十分理解できる内容だと思いますが、設計と製造の関係を扱っている関係上、他科目よりも広い視野が要求されるので、難しく感じるのかもしれません。説明している原理や体系自体は、非常にシンプルなので、もし、原理的なことが理解できないようであれば、1対1で質問をすれば簡単に解決できるでしょう。どの科目でも同じですが、人によって、理解できないところは全く異なるため、全員が分かるような説明はできないので、質問で解決する必要があります。むしろ、全員が同じ理解に到達する講義をしている先生がいたとしたら、その科目を大学で学ぶ価値はありません。回路やシステムの設計は、整然と体系化されている部分と経験を要求される部分が混在しているので、独学で学ぶことが極めて困難です。数10年以上の経験者(15年でやっと駆け出しという感じです)について学ぶ必要があります。学生という有利な立場をおおいに利用してください。
- 資料も分かりやすく、説明も分かりやすかった
資料はおおむね分かりやすいという感想が多かったので、この線で改良していきたいと思います。
- 集積回路に興味が出た。何か作ることができたら楽しいと思う
実習で作成した設計データは、そのまま半導体メーカで製造することができますので、フルカスタム設計方式であれば、本格的なものも時間とお金があれば作れます。後期の自主課題研究では、例年、スマートホンアプリやマイコン工作をしているのですが(集積回路工学第1受講者限定)、今年度はチップ試作のテーマも入れておきます。
問1 良かった点 †
- シミュレーションの回路図の例があって実際に自分で確かめられる(2名)
2年生の電子回路第2で、LTspiceの課題の出来がかなり良かったので、集積回路工学でもシミュレーションを取り入れてみました。回路シミュレーションは、回路動作の理解に有効ですが、実用面でも、最近は、手計算では設計できない回路が増えており、回路シミュレータを使いこなす必要があります。
- 実習があったこと(4名)
本学がVDEC拠点校である利点を生かし、実際にメーカで製造できるものを設計するまでの体験をしてもらいたいということで実施しています。実習は、時間がかかるという感想もあるのですが、継続したいと思います。
- 演習があり理解を深めるのに助かった
講義の内容をそのまま覚えても意味がなく、講義の知識をシステム設計に使って初めて意義があるので、来年度は応用的な演習と講義内容の確認的な演習に分けてみようと考えています。演習が難しすぎるという意見もあるので、すこし整理したいと思います。
- 集積回路工学について学べた
集積回路工学の講義なので当然ですが。。。製造技術と設計技術(またはCAD技術)の両方を経験している現役は国内にはあまりいないので(定年退職した年齢の人には、LSI技術の歴史とともに歩んできたような人が数多くいますが)、大いに利用してください。
- スライドが分かりやすい・見やすい(7名)
学生の意見に基づき長年改良してきた成果です。もう少し、最新の技術を紹介したい気持ちもありますが、少し抑えて、基本的な考え方に重点を置くように改良したいと考えています。
- 説明が丁寧、分かりやすい(4名)
自分では、説明が不十分だったかなという感触もありますが、時間数とのバランスもありますので、このぐらいの深入り度にして、あとは皆さんの質問に期待することにします。
- スライドがネット上にあげられている
スライドは、できるだけ早めにネット配付するようにしますので、予習等に役立ててください。
- スライド上のミスがなかった
多少、ミスがあったのですが、長年のバグ発見指摘のおかげで、大分ミスが減ってきました。書籍だと、改訂まで直せないので大変です。
- レポートの量が多く充実していた
同時に、レポートの量が多すぎるという意見が書かれていましたが、減らした方がよいのか、増やしたほうがよいのかどちらでしょうか。
問2 改善して欲しい点 †
- 持ち込み可だと知らなかった。来期以降は、テスト前最後の週に再度案内を出して欲しい
なるべく、最終回に持ち込み可のアナウンスをするようにしますが、話の成り行きや時間の都合で、アナウンスすることを保証はできません。どの科目でも、初回は、学生と教員の契約に相当するため、必ず出席することをお勧めします。また、次からシラバスに持ち込み可を明記するようにしたいと思います。
注意:持ち込み可は、記憶を問う問題は出題しないということを意味しています。言い換えると、この科目では、暗記のような付け刃の勉強は通用しないという教員からのメッセージが込められていますので、持ち込み可の科目ほど、しっかり予習復習をして、本質を理解しておく必要があります。
- コンセントがある部屋にして欲しい
現在、コンセントが使える理工系教室は、VDEC実習室、計算機実習室、AV講義室、レクチャーホールに限られています。受講者数が少なければ、学類の会議室を利用することを考えてみますが、30人以上になると困難だと思います(後ろのほうは、スライドやホワイトボードが見えない)。VDEC実習室でもできるのですが、あそこは机が狭いのと、コンピュータの騒音がうるさいので、講義には向いていません。この希望は、教員に言うよりも、署名を集めて学長や教務委員長に進言するのがよいと思います。
- 所々間違っているところがあった・実習ページの誤り(3名)
スライドについては、間違っているところはバグ発見報告をお願いします。実習解説書は、CADツールや計算機環境が毎年(数ヶ月に1回?)変更されるので、TAの人に事前チェックを頼んでいるのですが、今年はちゃんと実施してくれなかったようなので、次からは、私がチェックするようにしたいと思います。
- 課題の難易度が高く、プリントを見ても分からない(3名)
問11(1)の回答を見てください。
- レポートの量が多すぎた・演習に時間がかかる(2名)
90分ぐらいの分量になるように、提出課題を選択していたつもりだったのですが、どれぐらいの時間がかかりましたでしょうか。タイミングチャートなどに時間がかかったかなと思いますので、こうした課題は、シミュレーションで確認するなど、工夫したいと思います。
ところで、図やグラフを作成するのが苦手な人が多いようですが、これは、普段からソフトを選定し、使える様に環境を整え、短時間でブロック図、回路図、グラフ、ポンチ絵などの図面(主にクリップアートやキャラクタと3D図形の組み合わせ)を作成できるようなスキルとセンスを蓄えておいたらよいと思います。プレゼン資料の図やキャッチコピーを短時間で作る能力は、社会に出てから強力な武器になりますが、How to本を読んで直ぐにできるようになるものではなく、普段からのノウハウの蓄積(人の表現法を盗む)が必要です。
- スライド中の文字が小さいところがあり、パラメータの決定がしにくいときがあった
シミュレーション回路のコマンドパラメータについては、別ページにパラメータリストを掲載するように改良したいと思います。