#author("2022-06-14T00:26:13+00:00","kitagawa","kitagawa") #author("2022-06-14T00:31:41+00:00","kitagawa","kitagawa") [[&ref(home.gif);:http://jaco.ec.t.kanazawa-u.ac.jp/kitagawa/]] ~ Visitor No. &counter(total); MATLABのモデルからHDLを生成する手順のメモです。詳しくは、[[MATLABのヘルプセンター:https://jp.mathworks.com/help/hdlcoder/getting-started-with-hdl-coder.html?s_tid=CRUX_lftnav]]を読んでください。 ~ ---- *Filter DesignerによるHDL生成 [#p7201cc2] ***Half-Band Filterの例 [#rcbbe5f0] -MATLABのアプリメニューから、信号処理と通信 - フィルターデザイナーを選択 --または、コマンドプロンプトから、filterDesignerと入力 -フィルターデザイナフォームに下記のように設定(入力サンプリング周波数192kHz、通過帯域44kHz、34次のLPFの例) --(注)ハーフバンドフィルターは、出力のサンプリングレートが入力のサンプリングレートの1/2となるため fpass < fs/4 とする #ref(HBF.png,,50%) -フィルターデザイナーの左下アイコンから。量子化パラメータの設定(上から3番目のアイコン)を選択し、フィルター演算を固定小数点に設定 --浮動小数点(実数、複素数)を使ったHDLも生成できるが、論理合成の際に浮動小数点ライブラリが必要になるので、回路を小さくしたい場合は固定小数点を選ぶ。ただし、演算誤差が増加する。 -フィルターデザイナーの左下アイコンから、フィルター設計(一番下のアイコン)を選択して、フィルター設計画面に戻り、フィルター設計ボタン(画面下部)をクリック -フィルターデザイナーのメニューから、ターゲット - HDLを生成... を選択 -HDL生成フォームで下記のように設定 --ここでは、言語としてVerilogHDLを使用 --名前には、設計を行うトップ階層モジュールの名前を設定 --必要ならテストベンチのタブで、テストベンチ(シミュレーション用のHDLコード)も設定する --クロック入力(clk)、リセット入力(reset)は、自動的に作成される。名称を変更する場合は、フィルターデザイナーのグローバル設定で信号名を指定する。 #ref(HBF-HDL.png,,50%) -生成ボタン(フォーム右下)をクリックすると、指定したフォルダにHDLコードが出力される ***逆SinCフィルタの例 [#o54fe5cc] -フィルターデザイナフォームに下記のように設定(入力サンプリング周波数96kHz、遮断周波数22kHz、186次のLPFの例) --(注)逆SinCフィルターは、fc < fs/2 とする #ref(SINCI.png,,50%) -フィルターデザイナーの左下アイコンから。量子化パラメータの設定(上から3番目のアイコン)を選択し、フィルター演算を固定小数点に設定 -フィルターデザイナーの左下アイコンから、フィルター設計(一番下のアイコン)を選択して、フィルター設計画面に戻り、フィルター設計ボタン(画面下部)をクリック -フィルターデザイナーのメニューから、ターゲット - HDLを生成... を選択 -HDL生成フォームで下記のように設定 --名前には、設計を行うトップ階層モジュールの名前を設定 --必要ならテストベンチのタブで、テストベンチ(シミュレーション用のHDLコード)も設定する --クロック入力(clk)、リセット入力(reset)は、自動的に作成される。名称を変更する場合は、フィルターデザイナーのグローバル設定で信号名を指定する。 #ref(SINCI-HDL.png,,50%) -生成ボタン(フォーム右下)をクリックすると、指定したフォルダにHDLコードが出力される *SimlinkkによるHDL生成 [#sc089000] *SimulinkによるHDL生成 [#sc089000] ***高速フーリエ変換の例 [#led7ed7f] -MATLABのホームニューで、Simulinkアイコンをクリック --または、MATLABのプロンプトから、simulinkと入力 -Simulinkスタートページが表示されるので、テンプレートのリストから、HDL Coderの項目を開き、「空のDUT」をクリック -Simulinkのシミュレーションメニューで、保存 - 名前を付けて保存...によりSimulinkプロジェクトを保存(ここではexampleとした) --緑色のブロックが、これから設計を行うトップモジュールとなる #ref(empty.png,,50%) -緑色のブロックをダブルクリックして、ブロック内部を下記のように書き直す --部品の呼び出しは、Simulinkのシミュレーションメニューから、ライブラリーブラウザーのアイコンをクリック ---FFT: DSP HDL Toolbox - Transform, 入出力ポート: HDL Coder - Commonly Used Blocks #ref(FFT.png,,50%) -トップ階層に戻って、下記のように修正する --階層は、図面上部のタブまたは矢印ボタンで移動する --部品の呼び出しは、Simulinkのシミュレーションメニューから、ライブラリーブラウザーのアイコンをクリック、下記部品の設定は、部品アイコンをダブルクリックして行う ---Sine Wave: Simulink - Source(Amplitude 32767, Frequency 1Hz, Sample Time 1/2024), int16: Simulink - Signal Attributes(出力データ型 int16), Constant: Simulink - Source(信号属性 - 出力データ型 boolian) ---浮動小数点演算を使用しない場合は、入出力信号を整数かBoolianにしておく #ref(TOP.png,,50%) -Simulinkのシミュレーションメニューで、終了時間を256に設定し、実行ボタンをクリックして、シミュレーションを実行 -シミュレーションが成功したら、図面中のScope(右端の部品)をダブルクリックして波形を確認 --Scopeウインドウのツールボックスで、X軸Y軸のスケールのボタン(右から3つめ)をクリックして全体表示 ---虚数(SINE成分)が出ているのが観測できる #ref(simulation.png,,50%) -SimulinkのHDLコードメニューで、設定アイコンをクリック -コンフィギュレーションパラメータのフォームで下記のように設定し(必要に応じて他の項目も設定)、適用ボタンをクリック --clk, resetは自動的に追加される、詳しい設定を行う場合は、左欄のリストからグローバル設定を選んで設定を行う #ref(config.png,,50%) -HDL生成可チェックボタンをクリックして、エラーまたは警告が無いことを確認 -生成ボタンをクリックしてHDLを生成 -HDLの生成に成功すると、SimulinkウインドウにHDLコードが表示され、指定したフォルダの配下にHDLファイルが作成される #ref(code-gen.png,,50%) *Qualtusによる論理合成例 [#e31a47a5] MATLABで出力したHDLコードは、論理合成可能なRTL記述になっているので、FPGAやASICに実装可能。ここでは、IntelのFPGA開発環境Quartus Primeを使用して論理合成できるか試してみる。Quartus Primeには、Pro, Standard, Liteの3エディションがあり、Lite版は無料。 -Quartus Prime Liteを起動 -New Project Wizardをクリック --作業ディレクトリ、プロジェクト名を指定、Project TypeはEmpty Projectとする --Add Filesフォームで、作成しておいたHDLファイルを指定(ここでは、HBF.v を使用) --Family, Devices & Board Settingsでは、適当にdeviceを選ぶ(使用を想定するFPGAがある場合はそれを指定) #ref(Quartus_New.png,,50%) #ref(Quartus_Main.png,,50%) -メニューより、Processing - Start Compilation を選択 --または、ツールバーの青三角をクリック -メニューの Tools - Netlist Viewers より RTL Viewer を選択して回路構成を確認 -メニューの Tools - Netlist Viewers より Technology Map Viewer を選択して合成結果を確認 -- Technology Map Viewer には、Post Mapping(論理合成後の最適化結果) と Post- Fitting(配置配線後の最適化結果)がある #ref(Quartus_Viewer.png,,50%) *HDLシミュレーションについて [#p88fc4fd] Quartus本体には、論理シミュレータが含まれていない。論理シミュレータとして、Questa Intel FPGA Edition が配布されている。Intelのサイトでライセンスの取得が必要(無料)。 -Intelのサイトに登録したユーザアカウントでログインし、FPGAセルフサービスライセンスセンターに入る -メニューから、コンピュータとライセンスファイル - 全てのコンピュータを選択 -新規ボタンで、ライセンスをインストールするコンピュータを登録 -ライセンスファイルがメールで送られてくるので、登録したコンピュータにコピーして(場所は任意)、環境変数LM_LICENSE_FILEにパスを設定 --Windows11の環境変数は、設定 - システム - バージョン情報 - システムの詳細設定で追加できる