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PSoCマイコン基板の製作

汎用のユニバーサル基板にMCU(Microcontroller)とBluetooth(IEEE 802.15.1)通信モジュールを搭載したボードをユニバーサル基板で製作します。スマートフォンには、WiFiとBluetoothが搭載されていますが、Bluetoothは、WiFiよりも低消費電力であるため、バッテリー動作させる機器に向いています。 センサ回路や表示デバイス等は後で追加してください。ただし、タッチセンサは、ユニバーサル基板では、うまく動作しないかもしれません。

*主要部品の選定

MCU(Microcontroller)、通信用チップまたはモジュール、OPA(演算増幅器)などのよく使われる汎用部品は、多くの品種が市販されていて、慣れるまでは、どれを使ったらよいか分からないかもしれません。自分が製作しようとしているものの仕様を実現できる部品であれば、どの部品でもよいのですが、電子回路の講義で習ったような電気的特性や性能指標だけで決められるわけではなく、国際規格、国内法規、価格と入手性、寸法とパッケージの種類(半田付けできるかどうか)、壊れにくさ、ファームウエアの開発のしやすさなど、判断には多くの知識や経験が必要です。最初は、周囲の工作マニア、ネット上の製作記事や書籍などを見よう見まねして覚えていくしかありません。主要部品の選定理由を下記にリンクしておきますので、参考にしてください。

MCUのファームウエアを作成するためには、通信モジュールの取扱説明書をよく読んでおく必要があります。メーカのホームページで、RBT-001, 80FG990 のマニュアルとユーティリティソフトウエアをダウンロードしておきましょう。

*配線図の作成

基板を作る前に、電子回路の講義で習うような回路図ではなく、ピン番号間の接続を明記した配線図を作成します。電源と通信部分だけの配線図を下記に示します。ICのピン番号や1番ピンの位置(丸印)が示されています。このBluetoothモジュールは、ピン番号ではなく、ピン名がモジュール基板に示されています。後で追加するセンサ回路などの配線図は各自が作成してください。配線図は、手書きでかまいません(ささっと手で書くのが、スマートなエンジニアの流儀)。

Schematic for Bluetooth Devices

5VのACアダプタは、レギュレータに入力できませんので、ACアダプタを使いたい場合は、IC1の出力端子側にACアダプタ用のDCジャックを設けてください(配線図のTP1の部分)。ただし、この場合、IC1の入出力間にレギュレータの保護用ショトッキーダイオードを挿入してください(レギュレータ出力側がアノード)。LDOレギュレータの出力に入力電圧より高い電圧を印加すると電流が逆流して破損する恐れがあるためです。複数電源を使用する場合やインタフェースから電圧を供給する場合の基本的な保護対策のですので、覚えておいてください。最近は、保護回路内蔵のLDOレギュレータも販売されていますので、入手できればD1を省略できて便利です。

PSoC (IC2)と80FG990+RBT-001の間は、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)という通信規格により接続します(Bluetoothモジュールの仕様)。RBT-001のUARTは4線(RTS, CTS, RX, TX)を使ってフロー制御をしますが、PSoC1のUARTは、RX(PSoCから見て受信)とTX(PSoCから見て送信)の2線接続のため、RBT-001の制御線 (RTS, CTS)を ショートして、常時送信可能となるようにします。RBT-001、PSoC双方に通信用のバッファーメモリを持っているため、1度にバッファーがあふれるようなサイズのデータを送らなければ問題はありません。

念のため、下の表で、各部品の役割を説明しておきます。
部品役割
TP1電源ラインの電圧確認用のプローブピンです。
P1ISSP(In-System Serial Programming protocol)という方式でMCUの基板実装後に、プログラムを書き込むために使用する 5pinピンヘッダーです。
P2Bluetoothモジュールを接続するための2列x7(14pin)ピンソケットです。Bluetoothモジュールは、7ピンですが、1列のピンソケットは接続が不安定なので、14ピンを使用します。
J1DCプラグを差し込むDCジャックです。電池ボックスにDCプラグを付けて使用します。ただし、レギュレータの入力は、5Vより高い必要があるので、ここにACアダプタを繋いでも動作しません。
C1, C2デカップリング用です。消費電流が急に変化すると、電源ラインのインピーダンスに電圧降下が発生し、電源ピンの電圧が変動するため、これを抑制するために、ICの電源ピンに付けてあります。つまり、自分が発生する電源ノイズによる誤動作防止用です。
C3, C4レギュレータ回路を安定化します。通常、3端子レギュレータのデータシートに、キャパシタの種類と容量が指示されています。
R1, R2LED1に流す電流を決めています。LEDが明るすぎる場合は調整してください。
LED1, LED2電源ランプ(白)と動作状態表示用(赤)です。
D1LDOレギュレータの逆流保護用です

*部品リストの作成

本実習では、使用部品を研究室に用意してありますが、通常は、まず部品リストを作成して、ネット販売等で購入することになります。部品箱だけを渡しますので、必要な部品を自分で探してください。

回路を追加する場合に、別途必要となる部品リストは、下記のフォーマットで作成して、担当教員に相談してください。手持ちの代替品があるかもしれません。コネクタやネジなども忘れずにリストすること。後で少量追加注文すると、時間がかかったり、余分な手数料や送料が必要になります。

[注意]
ユニバーサル基板は、穴のピッチが、2.54mm(標準)です。2.54mmピッチでない部品や表面実装部品の場合は、ピッチ変換基板がないと取り付けられません。例えば、今回使用するPSoCは、28Pin SSOPという表面実装用のパッケージなので、28Pin DIPに変換する基板を使用します。また、Bluetooth通信モジュールは、2mmピッチのピンソケットで接続する仕様なので、やはり変換基板がないとユニバーサル基板には取り付けられません。接続方法も考えて部品を調達しないと、回路の製作に取りかかれません。

ラベル品名型番数量単価(円)備考(ネット販売先等)
IC13端子レギュレータXC6202P502TB150秋月電子通商
IC2MCUCY8C28445-24PVXIまたは
CY8C29466-24PXI
1600RCコンポーネンツ, DigiKeyなど
-Bluetooth通信モジュールマイクロテクニカ RBT-00114,700マイクロテクニカ
-RBT-001用レベルコンバータ80FG99011,850マイクロテクニカ
-変換基板0.65mmピッチSSOP28ピン - DIP28ピン170秋月電子通商
-連結ソケット2.54mmピッチ両端オス28ピン170秋月電子通商
-ICソケット600mil 28ピン丸ピンDIP170どこでも入手可能
C1, C2キャパシタ0.1uF 50V 積層セラミック210どこでも入手可能(通常10個以上)
C3, C4キャパシタ1uF 50V 積層セラミック210どこでも入手可能(通常10個以上)
R1抵抗200 1/6W カーボン11どこでも入手可能(通常100個単位)
R2抵抗1k 1/6W カーボン11どこでも入手可能(通常100個単位)
S1DIPスイッチ2.54mmピッチ 2P150どこでも入手可能
-乾電池単4 アルカリ4120どこでも入手可能
-電池ボックス単4X4本 横一列 リード付き150どこでも入手可能
J1DCジャック2.1mm標準DCジャック 基板取り付けタイプ153DigiKeyなど
-DCプラグ2.1mm標準DCプラグ160どこでも入手可能
P1ピンヘッダ2.54mmピッチ 1列X40(40ピン)140どこでも入手可能
P2ピンソケット2.54mmピッチ 2列X7(14ピン)130どこでも入手可能
LED1LEDOSWT3166B19秋月電子通商(100個単位)
LED2LEDOSDR3133A14秋月電子通商(100個単位)
D1ショトキーダイオードBAT431150秋月電子通商(10個単位)
TP1プローブピンサンハヤト SST-1-1 0.8mmφ7.0mm316サンハヤト(20個単位)

*基板への実装

PSoCは、使用するIOピンをファームウエアの設定で変更できるため、後で外付け回路を追加していくという荒技が使えます。センサー回路は、後で追加することにして、とりあえず、配線図を参考に、通信を行う部分までの回路を製作します。半田付けが難しい表面実装部品もありますので、慣れていない人は、先輩に教えてもらいましょう。また、Bluetoothモジュールのような無線通信回路は、静電気に弱いものが多いので、帯電防止フィルムの袋(ESDバッグ)かアルミ箔に包んでに保管し、回路の配線が全部済んでから、最後に取り付けるようにしてください。下の写真のケースは、帯電防止材ではないので、無線モジュールのむき出し保管はできません。

Electronics parts Printed Circuit Board


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