図1に、電圧で周波数が変化する電圧制御発振器(VCO)の例を示す。M1, M2はインバータ(NOT回路)を構成し、これを5段縦続接続してリングオシレータを構成している。このインバータは、入力電圧Vcによって制御される電流源M3, M4に接続されている。M1, M2のドレイン電流がVcによって変化するため、遅延時間が変化し、リングオシレータの周波数も変化する。PLL(Phase-Locked Loop)の発振器として使用できる。単体では周波数安定性がよくないが、Vcに信号入力すれば、簡単なFM(Frequency Modulatiom)発振器としても動作する。

図1 VCOの回路図
表1 回路定数
表2 MOSFET寸法
| L (m) | W (m) | AD (m2) | AS (m2) |
n-ch MOSFET | 0.35u | 1.2u | 1.5p | 1.5p |
p-ch MOSFET | 0.35u | 2.4u | 3.0p | 3.0p |
[注意点]
- p-ch MOSFETのB端子はVDDに、n-ch MOSFETのB端子はGNDに接続すること
- MOSFETのゲートから基板端子に配線が突き抜けるように描かれているのは、MOSFETのゲート端子が右側のMOSFETのゲート端子と接続されていることを表している
- Vc の直流バイアス点は、+1.0V 程度である
- .IC VOUT=3.3V (VOUTの初期値を、3.3Vに設定)行をSPICE入力ファイルに記述すること。これにより、最初から発振が観測できる

図2 PLL(Phase-Locked Loop)の中での使用法
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