LDD CMOS Process

LDD CMOS プロセスの概要

CMOSプロセスは、基本的には Medici の解説ページの例として用いたNMOSプロセスと変わりません。但し、p-ch MOSFET と n-ch MOSFET を共存させるためのウェルの形成と素子分離のプロセスのためフローかなり複雑になり、マスクの枚数が非常に多くなります。

SUPREM 入力ファイルの説明

下の CMOS Process Description に CMOS プロセスの記述例を示しました。これは、教科書にCMOS プロセスの例を図示するために作成したもので、実際の設計規則に比べてpウエルの端とp-ch MOSFETおよびn-ch MOSFET のドレインの間の距離が近すぎるだろうと思います。このシミュレーションは、数時間はかかりますので、TSUPREM-4 を起動したら、他の仕事に取り掛かりましょう。

CMOS Process Description

SUPREM の実行とストラクチャファイルの解析

下の CMOS structure analysis に構造データファイルからグラフを作成するためのTSUPREM-4 入力ファイルを示します。

CMOS structure analysis

以下に、構造の表示例を示します。赤い点線がアクセプタ濃度、青い点線が活性ドナー濃度の等高線です。緑がp領域、青がSiO2、赤がSi3N4、黄がp+領域、水色がn+領域、ピンクがポリシリコン、柿色がAl、フォトレジストは白です。

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図1 初期メッシュ。アクテイブ領域付近を細かくしてあります。

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図2 ウエルの窓を形成後、ボロンをイオン注入

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図3 ウエルのボロンをドライブイン拡散

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図4 窒化シリコン膜をパターニングしてアクテイブ領域をマスク。更にpウエルのアクティブ領域の周りにボロンをイオン注入

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図5 n型アクテイブ領域の周りに燐をイオン注入

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図6 LOCOSによるフィールド酸化膜形成

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図7 ゲート酸化およびゲートのパターン

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図8 n-ch MOSFET用のLDDイオン注入

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図9 p-ch MOSFET用のLDDイオン注入

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図10 サイドウオールの形成

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図11 n-ch MOSFET用のソース、ドレインイオン注入

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図12 p-ch MOSFET用のソース、ドレインイオン注入後、LTO堆積し、コンタクトホールを形成

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図13 アルミ配線のパターン

以下に不純物プロファイルの表示例を示します。青い線がドナー不純物、赤い線がアクセプタ不純物、黒い線が活性な実効濃度です。

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図14 pウエル拡散後のウエル不純物分布

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図15 Vth イオン注入後のn領域の不純物分布

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図16 n-ch MOSFET のゲート領域不純物プロファイル

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図17 n-ch MOSFET のソース、ドレイン不純物プロファイル

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図18 n-ch MOSFET のチャネル方向不純物プロファイル。ボロンがSiO2界面から逃げるため、チャンネルの実効アクセプタ濃度が低くなってしまった。

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図19 p-ch MOSFET のゲート領域不純物プロファイル

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図20 p-ch MOSFET のソース、ドレイン不純物プロファイル

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図21 p-ch MOSFET のチャネル方向不純物プロファイル


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